高次脳機能障害 注意障害





高次脳機能障害 注意障害

①全般性注意障害
集中困難・注意散漫:ある刺激に焦点を当てることが困難となり、ほかの刺激に注意を奪われやすい。参考となる評価法としては抹消・検出課題、ストループテスト、心的統制課題が挙げられる。
注意の持続・維持困難:より軽度な注意障害では長時間注意を持続させることが困難になる。時間の経過とともに課題の成績が低下する。課題を行わせると最初はできても15分と集中力が持たない。参考となる検査法としてはContinuousPerformanceTest、抹消課題が用いられる。

②半側空間無視
脳損傷の反対側の空間において刺激を見落とすことをはじめとした半側無視行動が見られる。同名半盲と混同しないようにする。右半球損傷(特に頭頂葉損傷)で左側の無視がしばしば認められる。参考となる評価法としては線分2等分、線分抹消、絵の模写などが行われる。なお左同名半盲では両眼の一側視野が見えず、眼球を動かさなければ片側にあるものを見ることができない。同名半盲のみの場合は、視線を見えない側に向けることによって片側を見ることができ、半側無視を起こさない。

軽度:検査上は一貫した無視を示さず、日常生活動作で、あるいは短時間露出で無視が認められる。なお、両側同時刺激を行うと病巣反対側を見落とす、すなわち一側消去現象(extinction)を示す。

中等度:常に無視が生じるが、注意を促すことで無視側を見ることができる。

重度:身体が病巣側に向き、注意を促しても無視側を見ることができない。