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DESIGN-Rでは,深さの数値は重み値には関係しない。また,深さ以外の6項目(滲出液,大きさ,炎症/感染,肉芽組織,壊死組織,ポケット)の合計点の0点から66点までの総点がその創の重症度を表す。

1)Depth(深さ)
創内の一番深い部分で評価,また,改善に伴い創底が浅くなった場合はこれに相応する深さとして評価し,DUを加えた7段階に区分する。なお,Uは判定不能(unstageable)の頭文字。
d0:皮膚損傷・発赤なし
d1:持続する発赤
d2:真皮までの損傷
D3:皮下組織までの損傷
D4:皮下組織を越える損傷
D5:関節腔,体腔に至る損傷
DU:深さ判定が不能の場合

2)Exudate(滲出液)
e0:なし
e1:少量:毎日のドレッシング交換を要しない
e3:中等量:11回のドレッシング交換を要する
E6:多量:12回以上のドレッシング交換を要する

3)Size(大きさ)
皮膚損傷範囲の,長径と短径(長径と直交する最大径)を測定し(cm),おのおのを掛け合わせた数値から7段階に分類した。なお,大きさの目安として,円形の創をイメージし,s3は直径2cm未満,s6は4cms8は6cms9は8cms1210cm以内,S1510cm以上と考えると理解しやすい。
s0:皮膚損傷なし
s34未満
s64以上16未満
s816以上36未満
s936以上64未満
s1264以上100未満
S15100以上

4)Inflammation/Infection(炎症/感染)
創周辺の炎症あるいは創自体の感染につき,4段階に分類した。
i0:局所の炎症徴候なし
i1:局所の炎症徴候あり(創周囲の発赤,腫脹,熱感,疼痛)
I3:局所の明らかな感染徴候あり(炎症徴候,膿,悪臭など)
I9:全身的影響あり(発熱など)

5)Granulationtissue(肉芽組織)
創面の肉芽組織の量により6段階に分類した。
g0:治癒あるいは創が浅いため肉芽形成の評価ができない
g1:良性肉芽が創面の90%以上を占める
g3:良性肉芽が創面の50%以上90%未満を占める
G4:良性肉芽が,創面の10%以上50%未満を占める
G5:良性肉芽が,創面の10%未満を占める
G6:良性肉芽が全く形成されていない

6)Necrotictissue(壊死組織)
壊死組織の病態が混在している場合は全体的に多い像をもって表現し,3段階に分類した。
n0:壊死組織なし
N3:柔らかい壊死組織あり
N6:硬く厚い密着した壊死組織あり

7)Pocket(ポケット)
ポケットの広さの計測は,褥瘡潰瘍面とポケットを含めた外形を描き,その長径と短径(長径と直交する最大径)を測定し(cm),おのおのを掛け合わせた数値から「褥瘡の大きさで測定した数値」を差し引いたものを,5段階に分類した。
p0:ポケットなし
P64未満
P94以上16未満
P1216以上36未満
P2436以上

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