「できるADL」と「しているADL」


「できるADL」と「しているADL」

ADL(日常生活行為)が、リハビリテ-ションの訓練時や診察時にはできるけれども、病棟や自宅の実生活では実行していないことが少なくありません。
「できるADL」よりも「しているADL」を重視すべきことは患者の生活を重視するリハ医学としては大切なことです。
「できるADL」と「しているADL」、両者の差をみきわめ、その原因を明らかにすることがリハ・プログラム作製上極めてなことです。

 「できるADL」と「しているADL」の差を生む条件は以下のようなことが挙げられます。

○模擬的な訓練場面では行えるが、実際の生活の場である病棟や自宅・社会では行えない。

○訓練だけで疲れはててしまって、病棟や自宅・社会では行えない。

○患者の日常生活における意欲が低い。できても、やろうとしない。

○患者・家族の理解不足により、できることを、過介護で、できなくしてしまう可能性がある。家族指導はその意味でも大切。


新しいADLのやり方を身に付けることは、健康なときと同じような体の使い方、動かし方ではなく、新しいやり方を身に付けることが必要となる。習熟するためには、実際の場面を想定したことを、繰り返すこと習慣化することが不可欠となる。