左手利きの失語
左手利きの失語は、全般に症状が軽く、回復が早いといわれています。ネーサーらは左手利きの右大脳半球損傷による失語と左大脳半球損傷による失語とを比較し、後者は症状が軽いのみならず、言語認識障害を示さない例のあることを見出し、言語表出に関する優位大脳半球と言語認識に関するそれが異なることがその原因であろうと述べています。他方、バッソらは、臨床症状、病変部位、回復過程、いずれに関しても右手利きと左手利きの間に違いはないと述べていますが、現時点で結論は不明です。
岸田によれば、交叉性失語の出現頻度は連続症例454例中5例(0.9%)。印欧語圏の交叉性失語の頻度について、グローニングらは1%、エカンとソーグは0.38%、ザングウィルは1.8%と報告されています。中国人における交叉性失語の出現頻度についても、印欧語圏のそれと差がないとする報告もあります。
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