失語性失読
失語性失読の症状には音読の障害と認識(読解)の障害があります。
多くの症例では両者が同程度に障害されるが、例外もあります。音読に比して読解が著しく障害される症例、 逆に読解に比べて音読の障害が重度である症例が存在します。例えば、構音障害のために音読が著しく障害されているにも拘らず読解が比較的保たれている症例があります。書字と同じように、文字より語、語より文章の障害が重度となります。語の読解は文法構造の容易であることが推測されます。品詞では名詞や動詞の読解は容易であるが代名詞の読解は困難となります。文法構造の読解では、能動態の読解より受動態の読解が困難となります。 失書と同じく失読でも仮名と漢字で障害程度に差が認められる症例があります。 読字の誤りを錯読といいます。錯読には、①視覚性錯読(白→百)、②音韻性錯読(たまご→たがも)、③意味性錯読(電車→新幹線)、などがあります。視覚性錯読は漢字、仮名ともに認められるが、意味性錯読は漢字で多く認められます。 聴覚的認識障害の程度と失読の程度はほぼ平行関係にあるが、脳の前方領域の病変による失語では聴覚的認識の成績が読字より良好であり、脳の後方領域損傷の失語ではこの関係が逆になるといわれています。
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