ICARS (InternationalCooperativeAtaxiaRatingScale:運動失調の国際評価尺度)
【適用】
小脳出血や脊髄小脳変性症、多系統萎縮症による運動失調の評価に適用となる。
【基準値】
明確な基準値は示されていないが、すべて正常と判定されれば総計0点となる。
【解釈】
1)結果の確認
各項目の評価基準に結果があてはまるかどうかを確認する。評価後に判断に迷った際には再度評価を行い評価基準と比較する。そこで評価結果にばらつきが出た場合には、計測方法が正しければ変動の要因を考察していく。また他項目の評価結果と比較し相対的に解釈せず、それぞれの評価結果ごとの絶対評価として判断する。
2)結果の解釈
全項目の合計点を算出して判断基準とするが、明確な基準値は示されていないため、各項目の点数からどのような動作が障害されているかを明確にする必要がある。また錐体外路症状や自律神経症状、ADL評価なども加え総合的な障害を把握する。
3)結果の活用
ICARSを算出することで、運動失調の経時変化や治療法の効果判定の指標となる。運動機能面では、改善すべき運動失調を明確にすることで効果的なリハビリテーションプログラムの立案に役立ち、歩行補助具や福祉用具の選択に反映できる。そして、経時変化を辿ることによって介入方法の効果判定や予後予測のパラメータとして活用できる。これは他の運動失調の評価結果や錐体外路症状、自律神経症状、ADLなどの指標と関連付けて解釈することでよりいっそう有用な情報となる。
詳しくは、下記のPDF内に評価表が記載されています。