6分間歩行テストの手順
- テスト前2時間以内の強い運動は避け、ウォーム・アップはしない。
- 少なくともテスト前10分間は、椅子に座り安静にし、負荷をかけて良い状況か否かをチェックし、脈拍、血圧を測定・記録します。靴や補助具(杖など)も確認し、記録用紙に必要項目を記録する。また、この間に以下のようなオリエンテーションを行う。
「この試験の目的は、6分間できるだけ長い距離を歩くことです。このコースを今から往復します。6分間は長いですが、頑張ってください。途中で息切れがしたり、疲労するかもしれません。必要ならペースを落としたり、立ち止まったり休んでもかまいません。壁にもたれかかって休んでもかまいませんが、できるだけ早く歩き始めてください。コーンで方向転換し往復歩行します。コーンを素早く回り、往復してください、これから私が実際にやってみるので見ていてください」(検査担当者自身が1往復し、歩き方と素早い回り方を示す)。 - 歩行開始直前には、ベースラインの呼吸困難と全体的な疲労感を(修正)Borgスケールで測定する。
- スタート直前にできるだけたくさん歩くことと、走らないことを再確認する。
- 検査担当者は一緒に歩いてはいけない(ATS)。ただし、私たちは対象者に転倒の可能性が有る場合には、いつでも手が届く範囲の斜め後ろについて歩く。
- テスト中の声掛けは時間経過のみ。ATSのステートメントでは、
最初の1分:「うまく歩けています。残り時間はあと5分です」
2分後:「その調子を維持してください。残り時間はあと4分です」
3分後:「うまく歩けています。半分が終了しました」
4分後:「その調子を維持してください。残り時間はもうあと2分です」
5分後:「うまく歩けています。残り時間はもうあと1分です」
残り15秒:「もうすぐ止まってくださいと言います。私がそういったらすぐに立ち止まってください。私があなたのところに行きます」
6分後:「止まってください」
試験中に患者が歩行を中断したり、休息が必要となったら:「もし必要なら壁にもたれかかって休むこともできます。大丈夫と感じたらいつでも歩き続けてください」 - 6分経過しないうちに中断する場合には、椅子に座らせ、中断した時間、中止理由を記録する。
- テスト終了後、歩行後の修正Borgスケールの呼吸困難と疲労レベルと総歩行距離を記録する。
- 私たちは、テスト終了後も脈拍数、血圧がベースラインの10%増まで戻るまで1分毎に測定する。
絶対禁忌
1ヶ月以内の不安定狭心症、心筋梗塞
相対禁忌
安定型狭心症
安静時のHR≧120回/min、収縮期血圧≧180mmHg
拡張期血圧≧100mmHg