持続皮下インスリン注入療法(continuous subcutaneous insulin infusion:CSII)






持続皮下インスリン注入療法(continuous subcutaneous insulin infusion:CSII)は、ポータブルインスリンポンプによって 24 時間絶え間なく、持続的に皮下組織にインスリンを注入することにより血糖コントロールする治療法である。

インスリンポンプは携帯電話ぐらいのサイズ・重量で、腹部皮下に留置針(翼状針)を置き、超速効型インスリンを用いてインスリンの基礎分泌、食事によるインスリン追加分泌と高血糖を是正するための追加インスリンを補う。

CSII による治療は、従来のインスリン頻回投与では十分な血糖コントロールが得られない場合や妊娠・手術のために厳格な血糖コントロールが必要な場合、無自覚性低血糖が頻回に起きたり、暁現象が著明な場合などに対して有効であり適応となる。

CSII のデメリットは、インスリン自己注射よりやや煩雑な動作が伴うポンプを取り扱う必要があること、ポンプあるいはルートトラブルなどによりインスリンが注入されないと高血糖やケトアシドーシスが起きることである。

ポンプあるいはルートトラブル時には、場合によってはペン型のインスリン注入器で対応する必要がある。


(1000) 糖尿病ケア 2010 vol.7 no.10より参照。