免荷 部分荷重 全荷重


免荷 部分荷重 全荷重

骨折、靭帯損傷、変形性股関節・膝関節症などの疾患や手術後の患肢安静のため、患肢に体重をかけて歩行できない時期がある。歩行訓練は、免荷(non weight bearingNWB)、 部分荷重(partial weight bearingPWB)と進み、経過を見ながら段階を踏んで、全荷重(full weight bearingFWB)で歩行できるように進めていく。

○ 免荷とは、患肢にまったく体重をかけない状態。
入院中の移動には、車椅子もしくは両松葉杖を使用する。
両松葉杖で歩行する患者は、片足で歩行しなければならない状態に加え、患部に装具を使用するなど、バランスが不良となりやすく、転倒への注意が必要となる。

     部分荷重とは、荷重コントロールが必要な状態。
部分荷重の歩行訓練を開始する前に、患肢を体重計にのせ、決められた荷重の感覚を覚えてもらう訓練をする。歩行訓練は 1/3荷重、1/2 荷重、2/3 荷重と進む。
たとえば、体重が 60kg の場合、1/3 荷重は 20kg1/2 荷重は 30kg2/3 荷重は 40kg の荷重をかけて歩行訓練をする。歩行訓練に使用する杖は、バランスや荷重制限、麻痺などに応じて選択する。

     全荷重とは、歩行や移乗時の荷重の制限がない状態。
高齢者や麻痺のある患者など部分荷重が困難な場合は、全荷重の可能な時期を待って、部分荷重をせず歩行訓練をすることがある。