脚長差(leg length discrepancy)





脚長差(leg length discrepancy)

脚長差の原因は、下肢の先天性疾患や一側下肢の複雑骨折で癒合部が変形治癒した場合などである。
脚長差が3cm 以下では、歩行中に骨盤・体幹・下肢全体の代償運動により、外見的な異常歩行が認められ
ないこともある。
これは短縮側の立脚期では、立脚側の骨盤が下降傾斜して外見上の脚長差を補い、その骨盤の傾斜を脊柱の側屈により代償しているためである。
脚長差が3cm 以上の歩行では、上記同様の代償運動を伴うが、代償しきれずに肩が下がり、つま先立ちと
なる。
長下肢側の遊脚期では、股・膝関節の過度の屈曲,足関節で過度の背屈が生じる.歩行速度を早くすると異常歩行が著明となる。
一側下肢の短縮が原因で短縮側の立脚期で身体が低くなり,体幹が短縮側に傾くことを硬性墜落歩行という。
→脚長差の解消として、短縮側の靴に補高を施し、歩行中の骨盤・体幹などの代償運動を矯正し、長時間経過
後に痛みなどが生じないようにする。