持続的他動運動 CPM continuous passive motion
人が日常生活を円滑に送るためには、各関節が無理なく動くことが必要となる。しかし、さまざまな要因で関節可動域の縮小、関節拘縮、手術後の腫脹・疼痛などが発生し、不自由な生活を送ることになる。CPM(continuous
passive motion)は、人工膝・股関節置換術、膝靭帯再建術、膝関節授動術、大腿骨骨折術後などに行われる、持続的他動運動です。ただし術後感染の見られる場合は禁忌となる。
⃝ CPM のポイント
・ 作動中に CPM の位置がずれると十分な膝の動きが得られないことがあるため、ベッドを水平にし、器械を足元のベッド柵につけ安定させる。
・ 個人専用ではないので、靴下やタオルを使用する。
・ 脚の長さの設定は身長を目安にロッキングレバーを使用して、A から I の間で調整する。たとえば、身長 130cm の場合は B に、135cm の場合は B と C の間に設定する。
・ 足底板に踵をつけ、膝の関節がターゲット線上にくるよう調節する。長さが適切でないと、設定した可動域で訓練ができない。また、設定した長さの記録を残しておくと、開始がスムーズになる。
・ CPM 施行後、疼痛・熱感・腫脹が出現することがあるため、運動終了時には観察し、熱感があればクーリングして安静にする。
・ 人工骨頭置換術・人工股関節全置換術後の場合、器械の装着時や除去時に禁忌肢位をとり股関節脱臼の可能性があるため、禁忌肢位を防止する。
・ コントロールパネルは固定されていないため、落下し破損しないよう注意する。