嚥下造影検査(VF)とは
嚥下運動は、外部から評価することが困難な体内での運動となります。
そのため、嚥下障害のある患者に対して、目に見える形で嚥下運動を評価する方法がどうしても必要になります。
嚥下造影検査(VF)の目的
VFの目的は、嚥下障害の詳細な評価と診断を行うこと、またそれらの結果から、嚥下障害に対するアプローチをどのようにして行うかを検討すること、その患者にとって適切な食形態を検討することにあります。
嚥下造影検査(VF)の適応
VFの適応は、嚥下障害を呈する患者、たとえば食事の際にむせる、 肺炎を繰り返すといった症状のある方や、反復唾液嚥下テスト・水飲みテスト・食物テストなどの嚥下に関する評価方法で問題のある方となります。
VFはレントゲン室で検査をする必要があるため、ベッド上安静の方やレントゲン室に連れて行くことが困難な方には、行うことができません。また意識状態や全身状態が不安定な方であれば、検査の際に安全性を十分に考慮する必要があります。
嚥下造影検査(VF)における嚥下障害の評価のポイント
VFにおける嚥下障害の評価のポイントは、口腔・咽頭・喉頭などの各器官の運動や嚥下の際の造影剤の動きで、障害の程度を確認します。
評価ポイントは以下のような内容が挙げられます。
- 喉頭への造影剤の流入(喉頭侵入)あるいは気管内への造影剤の流入(誤嚥)の有無や、流入 するタイミング、流入する際にむせが出現するかどうかを確認する。
- 嚥下運動が行われた後に、咽頭に造影剤が残っているかを確認する ・ 液体、とろみのついた液体、ゼリーといった食形態の違いで、嚥下運動にどのような変化が生じるのかを確認する 。
- 頚部の回旋や、リクライニング座位などの姿勢 の変化で、嚥下運動にどのような変化が生じるのかを確認する。
VFの検査、評価方法の詳細は下記をご参照ください↓
https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/VF18-2-p166-186.pdf