PEG ペグ 胃瘻(いろう)
PEGとは内視鏡を用いて胃瘻を造設する手術法のことです。
胃瘻(いろう)そのものをPEGと呼称することもあります。
胃瘻造設術とは、消化管機能が保たれているのにもかかわらず経口摂取が困難で、長期間の経腸栄養(通常 4 週間以上)が必要な方 に対して行われる「胃に人工の口(胃瘻)をつくる」手術のことです。
なお、経腸栄養を行う期間が 4 週間以内の場合には、非侵襲的で留置が容易 な経鼻胃管法が選択されます。
胃瘻造設法としては、ほかに X 線透視下経皮的胃瘻造設術、 超音波下胃瘻造設術、 腹腔鏡的胃瘻造設術、開腹胃瘻造設術がありますが、手技が簡便で患者への負担が少なく、経済性が高いことから、現段階ではPEGが胃瘻造設法の第一選択とされています。
PEGの適応は、脳血管障害や神経筋疾患などによる摂食・嚥下障害、繰り返す誤嚥性肺炎、クローン病などの長期経腸栄養を必要とする炎症性腸疾患などが挙げられます。
腸閉塞に伴う減圧目的で行われることもあります。
PEGの禁忌は、内視鏡検査が禁忌な症例、咽頭・食道狭窄のため内視鏡通過が困難な症例、胃前壁を腹壁に近接できない症例、補正困難な出血傾向、減圧目的での造設以外の消化管閉塞が挙げられます。
PEGの造設手技としては、Pull法、Push法、Introducer法があります。
胃瘻カテーテルの種類は、胃内の形状からバンパー型とバルーン型、外部の形状からチューブ型とボタン型に分かれます。
造設手技やカテーテルの種類にはそれぞれの長所・短所があるため、症例によって選択する必要があります。