脳卒中片麻痺 ヘミプレジア ヘミ hemiplegia
脳卒中には、脳血管が破裂し脳内で出血してしまう脳出血、脳血管が詰まってしまう脳梗塞、
心臓の病変によって血管壁が剝がれ、その破片が脳まで届きそこで詰まってしまう脳塞栓に大別されます。
どの病態でも、脳血管の異常によって身体の運動を司る部分に障害が起こった場合、身体に異常をきたし運動麻痺が生じ、片麻痺になります。この身体の半側が麻痺してしまう状態を「ヘミプレイジア」(hemiplegia)とよびます。俗に「ヘミ」と表現されることもあります。
運動線維は錐体路(皮質脊髄路)とよばれ、大脳皮質→放線冠→内包(内包は運動の線
維が集中している箇所)→延髄で錐体交差→脊髄→脊髄の運動ニューロン(四肢の筋を支配する運動細胞)となる経路を通っています。錐体路の経路のどこかで障害を受けてしまうことで運動麻痺が出現し、片麻痺を呈して運動がしづらくなってしまうのです。錐体路は延髄で交差しているため、障害側と反対側に運動麻痺が出現します。
脳卒中発症後、数日から数週間は上肢・下肢の筋肉にまったく力が入らず、ダラダラの状態になる弛緩性麻痺を呈します。その後、痙性麻痺へと移行し、上肢は屈筋優位に、下肢は伸筋優位となり、足部は内反尖足となり、いわゆるウェルニッケ・マン肢位になってしまいます。