唾液減少症の原因と対応





唾液減少症とは

唾液減少症とは、唾液分泌の減少した状態です。 唾液分泌の阻害、減少により口腔内の粘膜が乾燥した状態を表した病状名です。

唾液減少症の原因

唾液減少症の原因は、
  • 加齢(老人性萎縮)
  • 全身疾患(シェーグレン症候群,糖尿病,甲状腺機能充進症など)
  • 医原性のもの(薬の副作用,放射線照射,経口挿管など)
  • 心因的なもの(ストレス)
  • 習慣性のもの(口呼吸など)
などが考えられます。
唾液の分泌量は平均1.5ℓ/日であすが、唾液減少症の患者は0.5ℓ/日ぐらいに低下することもあります。 唾液の分泌が障害されると、口腔内の健康も障害され、全身疾患のリスクも高くなります。
唾液減少症が持続すると、味覚機能が低下し、咀噌中に食塊を形成しにくいことから、十分な栄養摂取ができなくなります。 また、唾液の減少によって口腔内は易感染性となるため、歯周病の進行やカンジダ菌の感染には注意が必要です。

唾液減少症への対応

慢性唾液腺炎や老人性唾液腺萎縮症が原因の唾液減少症では、唾液腺の機能が完全に失われていることはほとんどないので、レモン、梅干しなどの酸味の強い食物やガムなどで唾液腺の分泌機能を促すようにし、対症療法としてうがいと口腔清掃を行うと良いでしょう。
また、人工唾液(サリベート)や口腔内保湿ジェル(オーラスバランスなど)の使用も有効です。
放射線治療などで唾液腺の機能が失われている場合は、対症療法とともに病状に応じて唾液分泌を促す薬剤を投与し、口腔保健ケアを注意深く続け、口腔感染症の予防に努めます。



老年医学会 人工栄養中止など指針





読売新聞
指針は医療・介護関係者向けに作成されたもので、人工栄養補給を導入する際は、「口からの摂取が可能かどうか十分検討する」などと指摘。さらに、胃ろうなどの処置で ...



顔面神経麻痺 原因






顔面神経麻痺 原因

顔面神経麻痺は大きく末梢性麻痺と中枢性麻痺に分類されます。
両者の鑑別点は、末梢性麻痺では一側の顔面が均一に麻痺するのに対し、中枢性麻痺では上眼瞼から前額に麻痺がみられないことです。
末梢性麻痺が圧倒的に多く全体の90%以上を占め、Be11麻痺、Ramsay Hunt症候群、外傷性麻痺、耳炎性麻痺の順に頻度が高いです。







人工栄養見直しの動き胃ろうなど中止選択も専門家がガイドライン - 47NEWS






47NEWS
回復が望まれない、経鼻経管栄養や、胃瘻は、本人、家族の意思を尊重するべきだと思います。
人工栄養見直しの動き胃ろうなど中止選択も専門家がガイドライン
47NEWS
意識がないまま何年にもわたって介護を受ける生活が続くことがあり、会田さんは「人工栄養の継続が、患者本人や家族にとって本当に幸福かどうか疑わしいケースが出てき ...

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口腔乾燥症





口腔乾燥症

唾液分泌の阻害、減少により口腔内の粘膜が乾燥した状態を表した症状名です

原因は、全身的には脱水、糖尿病、シェーグレン症候群、薬物、情緒的因子などがあり、局所的には唾液腺の炎症・腫瘍、放射線障害、唾液腺管の通過障害などがあります。
老年者・要介護者では、唾液分泌抑制の副作用のある薬剤を服用している場合があります。

症状は口渇感、灼熱感、口腔粘膜の萎縮、歯周病の進行、う蝕多発、嚥下障害など。
処置は,原因の除去と含漱,人工唾液使用などの対症療法を行います。


PEG ペグ 胃瘻(いろう)





PEG ペグ 胃瘻(いろう)

PEGとは内視鏡を用いて胃瘻を造設する手術法のことです。

胃瘻(いろう)そのものをPEGと呼称することもあります。

胃瘻造設術とは、消化管機能が保たれているのにもかかわらず経口摂取が困難で、長期間の経腸栄養(通常 4 週間以上)が必要な方 に対して行われる「胃に人工の口(胃瘻)をつくる」手術のことです。

なお、経腸栄養を行う期間が 4 週間以内の場合には、非侵襲的で留置が容易 な経鼻胃管法が選択されます。

胃瘻造設法としては、ほかに X 線透視下経皮的胃瘻造設術、 超音波下胃瘻造設術、 腹腔鏡的胃瘻造設術、開腹胃瘻造設術がありますが、手技が簡便で患者への負担が少なく、経済性が高いことから、現段階ではPEGが胃瘻造設法の第一選択とされています。

PEGの適応は、脳血管障害や神経筋疾患などによる摂食・嚥下障害、繰り返す誤嚥性肺炎、クローン病などの長期経腸栄養を必要とする炎症性腸疾患などが挙げられます。
腸閉塞に伴う減圧目的で行われることもあります。

PEGの禁忌は、内視鏡検査が禁忌な症例、咽頭・食道狭窄のため内視鏡通過が困難な症例、胃前壁を腹壁に近接できない症例、補正困難な出血傾向、減圧目的での造設以外の消化管閉塞が挙げられます。
PEGの造設手技としては、Pull法、Push法、Introducer法があります。

胃瘻カテーテルの種類は、胃内の形状からバンパー型とバルーン型、外部の形状からチューブ型とボタン型に分かれます。
造設手技やカテーテルの種類にはそれぞれの長所・短所があるため、症例によって選択する必要があります。


口腔乾燥 dry mouth





口腔乾燥 dry mouth

唾液分泌低下、口腔粘膜の保湿度低下、唾液の粘性亢進、その他の疾患などで口腔内の乾燥感、違和感および義歯不適合などさまざまな状態を含む現象です。
ドライアイと異なり、明確な検査法と診断基準はありません。


バーセルインデックス (Barthel lndex,BI) ADL評価法





バーセルインデックス (Barthel lndex, BI) ADL評価法


バーセルインデックスとは

代表的ADL尺度のうちのひとつで、わが国でもリハビリテーション医学の領域で比較的普及しています。

ADLは基本的日常生活動作(ADL)と手段的日常生活動作(IADL)に大別されます。

BI(1965年)は基本的日常生活動作(ADL)の評価法のひとつです。

最近ではGrangerによる改訂版BIが一・般的に用いられます。

BIは13項目からなり,要介助と自立の基準があり、得点が配されています。

規準にあわないときは0となり、総得点は最高100、最低0となります。

BIが60以上では介助が少なくなり,40以下ではかなりの介助を要し,20以下では全介助となります。

バーセルインデックスの評価表はこちら↓

バーセルインデックス評価表①
バーセルインデックス評価表②





短下肢装具 AFO ankle-foot orthosis





短下肢装具 AFO ankle-foot orthosis

AFOとは、ankle-foot orthosisの略で、日本語では短下肢装具と言います。
短下肢装具とは、装具療法で処方される装具の一つで、下腿部から足部まで装着するものを言います。
装具は一般的に、身体の一部を外部から支え、運動機能の向上や疼痛の軽減を図るもので、関節の保持、変形の矯正および予防、 機能の代行、歩行の介助、免荷、機能の再教育などを目的に用いられます。
とくに短下肢装具の使用目的としては、 足関節と足部に対する変形の矯正・予防、病的組織の保護、立位・歩行などの失われた機能の補助が挙げられます。
そのため短下肢装具は、脳血管障害・ 頭部外傷・脳性麻痺・脊髄損傷・末梢 神経障害などによって生じた麻痺などに処方されることが多く、下腿骨骨折などの外傷にも免荷のために処方されることがあります。
短下肢装具は大きく分けると、 金属支柱のものとプラスチック製のものがあります。
プラスチック製のものには、プラスチック一体型と足継手のあるものがあり、さまざまな形状の ものや継手が考案されています。




心肺蘇生実演の動画公開 たつの市消防 - 読売新聞






読売新聞
知っておいて損はないと思います。
心肺蘇生実演の動画公開 たつの市消防
読売新聞
各コーナーへのナビゲーションです. 教育 · 医療と介護 · 住まい · 大手小町 · グルメ · クルマ · ネット · 働く · 読書 · エンタメ · 新おとな · 社説 · ENGLISH. ニュースジャンルの ...







脳損傷者の自動車運転評価システムを開発 - 大分合同新聞






大分合同新聞
高次脳機能障害の方の運転の評価は、難しいです。こういった評価法ができるのは、ありがたいことです。

脳損傷者の自動車運転評価システムを開発
大分合同新聞
開発から6年間で脳卒中や高次脳機能障害、認知症を患った市内外の約80人で評価を実施。まだ事故を起こした人はいない。チームが発表したCARD評価の論文は国内 ...

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HbA1c (hemoglobin A1c)ヘモグロビンエーワンシー





HbA1c(hemoglobin A1c)ヘモグロビンエーワンシー

高血糖状態が長期間続くと、血管内の余分なブドウ糖は体内の蛋白と結合します。
この際、赤血球の蛋白であるヘモグロビンとブドウ糖が結合したものがグリコヘモグロビンで、とくに糖尿病と密接な関係を有するものがHbA1cです。
ヘモグロビンは血管内のブドウ糖と結合するので、高血糖であれば余剰の糖が増えHbA1cも増加します。
従って血液中のHbA1c値は,赤血球の寿命である約120日の半分、すなわち約60日の血糖値の平均を反映すると考えられ、1~2ヶ月前の血糖の状態を推定できることになります。
正常値は4.3~5.8%で,6.5%であれば糖尿病と診断されます。


診断群分類 DPC:diagnosis procedure combination





診断群分類 DPC:diagnosis procedure combination

DPCとは診断群分類のことで、医療費の定額支払い制度はDPCによって診断群分類包括評価され決められます。
すなわち患者さんが何の疾患であったかによって診療報酬が決まる制度であるのです。
この制度下では最初から診断結果に対する診療報酬が決められており、実際にかかった医療費は後から経費として
差し引かれます。
これにより、短期間で回復した場合は診療報酬から治療にかかった経費を差し引いた分だけ利益となるが、回復に長期間を要した場合は診療報酬の上限額を越えた分だけ赤字になってしまいます。
このように、診断群分類 DPCは、医療の無駄をなくし、患者さんにメリットがあるように考えられた制度なのです。


脳卒中片麻痺 ヘミプレジア ヘミ hemiplegia





脳卒中片麻痺 ヘミプレジア ヘミ hemiplegia


脳卒中には、脳血管が破裂し脳内で出血してしまう脳出血、脳血管が詰まってしまう脳梗塞、
心臓の病変によって血管壁が剝がれ、その破片が脳まで届きそこで詰まってしまう脳塞栓に大別されます。

どの病態でも、脳血管の異常によって身体の運動を司る部分に障害が起こった場合、身体に異常をきたし運動麻痺が生じ、片麻痺になります。この身体の半側が麻痺してしまう状態を「ヘミプレイジア」(hemiplegia)とよびます。俗に「ヘミ」と表現されることもあります。

運動線維は錐体路(皮質脊髄路)とよばれ、大脳皮質→放線冠→内包(内包は運動の線
維が集中している箇所)→延髄で錐体交差→脊髄→脊髄の運動ニューロン(四肢の筋を支配する運動細胞)となる経路を通っています。錐体路の経路のどこかで障害を受けてしまうことで運動麻痺が出現し、片麻痺を呈して運動がしづらくなってしまうのです。錐体路は延髄で交差しているため、障害側と反対側に運動麻痺が出現します。

脳卒中発症後、数日から数週間は上肢・下肢の筋肉にまったく力が入らず、ダラダラの状態になる弛緩性麻痺を呈します。その後、痙性麻痺へと移行し、上肢は屈筋優位に、下肢は伸筋優位となり、足部は内反尖足となり、いわゆるウェルニッケ・マン肢位になってしまいます。





高齢者向け宅配弁当サービス 宅配クックワン・ツー・スリー飯田店





高齢者向け宅配弁当サービスを行う「宅配クックワン・ツー・スリー飯田店」。
この地域で、「モスバーガー」を25年にわたり営業している企業が、「高齢者向けのメニューの宅配をしてほしい」という地域の要望を受け、1年ほど前から始めました。

旬の食材を厳選して取り入れた弁当は、管理栄養士が不足しがちな栄養素を考慮し作成した献立。
和・洋・中とバラエティー豊かでバランスの良さが自慢です。
添加物を使わず、塩分を過剰に摂取しないよう、味付けに工夫をしているそうです。
普通食、やわらか食、カロリー・塩分調整食などから選べます。

最近は、個人の注文だけでなく、介護施設からの注文も増えているといいます。高齢者の体の症状にあわせたメニューで、介護施設の場合「1回につき10個以上の注文で、朝食から対応できます。ご相談ください」と同店。

区域内(飯田市、高森町、喬木・豊丘村)なら、配達料は無料。お弁当を届ける際に、安否確認も行っています。

■電話:0265-56-4050

■営業時間:9:00~18:00

■休み:無休


口腔ケア 保湿剤の使い分けと注意点





口腔ケア 保湿剤の使い分けと注意点


セルフケアが可能であれば、リキッドタイプの保湿剤が口腔内で広がりやすく、手軽に乾燥感を除去できるので使いやすいとおもいます。
自己管理が困難な場合や嚥下機能に問題がある場合は、保湿剤の誤嚥を防ぐためにも、看護・介護者によるジェルタイプの使用が望ましいでしょう。
とくに痂皮状の汚物が付着したケースではジェルタイプの保湿剤の使用が効果的です。
皮膚では、代謝により上皮が生え変わり、剥離した上皮は「アカ」とか「フケ」と呼ばれます。

口腔内の粘膜も代謝し、剥離した上皮は、通常であれば唾液や食物とともに飲み込まれることで処理されています。
しかし、経口摂取が行われずに口を開いたままで口腔乾燥が起こると、代謝した剥離上皮は皮膜状に堆積し、無理にはがし取ろうとすると、粘膜表層をいためて出血してしまいます。

使用にあたっては手指やスポンジブラシの保湿剤を1~2cmとり、舌、舌の下の部分、口蓋、頬の粘膜、口唇の裏側の粘膜をマッサージするように塗布します。

乾燥の程度にもよりますが、この状態のまま2~3分すると、剥離上皮に保湿剤が浸透して、安全で容易に除去できるようになります。その後、通常の口腔ケアを行い、最後に必ず保湿剤をふき取ります。

閉口ができずドライマウスが進行した状態で保湿剤をそのままにしておくと表面が乾燥して硬化していきます。
乾燥・硬化した保湿剤を除去せずに、口腔ケアのたびに保湿剤を上塗りしてしまうと層がどんどん厚くなります。
そうなってしまうと、汚れの除去が困難になるだけでなく、保湿剤の腐敗、それに伴う口臭などを招くので十分な注意が必要です。




ユニバーサルデザイン(universal design)





ユニバーサルデザイン(universal design)

ロナルド・メイスが1985年忌提唱した概念で、「改造や特別な設計をすることなく、できる限り幅広くすべての人々が利用可能であるデザインにすること」が基本コンセプトであり、デザイン対象を障害者に限定せず、従来のデザインで不便を感じていない健常者の利用性を損なわない点が一般に言われる「バリアフリー」とは異なる。




ユーザビリティー(usability)





ユーザビリティー(usability)
ユーザビリティーとは、プロダクトデザインや製品開発で使われてきた言葉で、使いやすい製品・サービス、ここでは医薬品をユーザー(患者,医療従
事者等)に提供することを意味する。語源としては,「use(使う)」・「ability(能力)」からの派生である
が、使いやすさや利便性について機能的に追究するだけでなく、ユーザーの満足感も包含したものでなければならない。




ドライマウスの対処法





ドライマウスの対処法

○原因療法
ドライマウスは原因を見つけて、その原因を除去することが治療の基本です。例えば、服用薬剤による唾液分泌低下が考えられる場合は、副作用の少ない薬剤への変更や薬剤量の減量が必要となります。しかし、対象となる疾患の治療のためには変更できないことが多いようです。

○薬物療法
唾液分泌改善に効果のある薬剤としてサリグレン、エポザックがあります。現在のところ、
シェーグレン症候群のみが健康保険の適応となっています。漢方薬では白虎加人参湯、麦門冬湯などが使用されます。

○機能的ロ腔ケア
顎下腺や耳下腺などに対するマッサージや、舌体操などの機能的口腔ケアにより、唾液分泌改善が期待できます。ただし、人工呼吸管理中の場合などで、脱水傾向にある時は、唾液腺マッサージによる圧迫で唾液を排出させるよりも、生理的にじわじわと分泌されるのに任せたほうが、口腔内の潤いを保つためには有効といわれています。

○うがいと水分補給
うがいを繰り返し行うと、口腔内の湿潤が保たれますが、イソジンガーグルのようなアルコールを含む洗口薬の使用は、アルコールの脱水作用により、口腔粘膜の水分が奪われ、乾燥を助長するので注意が必要です。水分補給は十分に行う必要がありますが、過度の水分摂取は腎臓や心臓に負担をかけてしまうので、腎機能や心機能が低下している方は、必要な水分量を主治医と相談するようにしましょう。

○保湿剤の使用
近年、オーラルバランスジェルなど、口腔内を保湿する商品が発売されています。
慢性期の場合は、単価を考慮しプラスチベースやプロペトなどを使用することもあります。


○その他
保湿装置(内側に水に湿らせたガーゼや人工唾液をいれておくと、中央の小さな穴から徐々
に染み出してきて、口の中が潤う)
開口や口呼吸により唾液蒸発量が過多となっている場合は、室内の湿度を上げることや、マスクの使用が有効なケースも少なくありません。睡眠中に口の乾燥がすすむ場合には、保湿装置(モイスチャートレー,モイスチャープレート)を使用するケースもあります。

難i病と在宅ケアvoL 17 No.102012.より参照。








唾液の機能





唾液の機能

1)消化作用:アミラーゼという酵素がでんぷんを分解する
2)粘膜保護作用:粘性タンパク質が口腔内の粘膜を保護する
3)円滑作用=飲み込む、発音するなどの機能をスムーズに行う
4)溶媒作用:食品の昧質が唾液に溶けて味覚としてとらえられる
5)洗浄作用:ロ腔内や歯面を洗い流して、食物残渣が残るのを防ぐ
6)抗菌および殺菌作用:細菌が繁殖するのを防ぐ
7)緩衝作用:口の中に酸が入ると、それを中和するように割く
8)抗脱灰作用:歯の脱灰を防ぎ、再石灰化に関与してむし歯を防ぐ


唾液の役割






唾液の役割

唾液は絶えず口の中を流れて、歯や粘膜の汚物を洗い流し、口腔内を清潔に保つよう作用しています。
また、食物が口の中に入ると、咀咽運動とともに、唾液の分泌が促進されて消化機能を助けたり、刺激のあるものが口の中に入ったときには、その分泌量が増えて、刺激を弱めたりします。

唾液が作られるところは、唾液腺(だえきせん)と呼ばれます。耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)という大きな唾液腺の他にも、唇の内面、頬の内側、口のあちこちに小さな唾液腺が多数分布しています。


打錠障害(tabletting problems)





打錠障害(tabletting problems)

臼に充填された粉体や穎粒を杵で加圧し、それらを錠剤に成形することを打錠あるいは製錠といい、打錠障害は粉体や穎粒が杵や臼に付着したり、あるいは粉体や二巴の結合性が悪いため圧縮成形できなくなるなど、長時間に亘る稼動(生産)ができなくなることを言う。
医薬品開発においては、長時間の生産が可能となるよう、組成や製造法(例えば表面改質など)を工夫して、打錠障害の発生を防いでいる。


バリアフリー(barrier-free)





バリアフリー(barrier-free)

 広義の対象者としては障害者を含む高齢者等の会生活弱者、狭義の対象者としては障害者が社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や
精神的な障壁を取り除くための施策若しくは具体的に障害を取り除いた状態をいう。一般的には障害者が利用する上での障壁が取り除かれた状態として
広く使われている。


現実見当識訓練法(ROT)





現実見当識訓練法(ROT)

ROTは認知症高齢者の見当識を中心とした認知機能を訓練・強化する手法です。
本法はもともと入院が長期に及ぶ患者に、彼らが興味をもつ新しい情報を提供することで、治療スタッフが患者の1人ひとりに個別の接触をもつことを重視したアプローチでした。
しかし近年は認知症高齢者の現実見当識を訓練・強化していくことで誤った外界認識に基づいて生じる患者の行動・情動面の障害を是正することにその力点がおかれています。

現実見当識訓練法の内容および流れ1.軽運動(リズムをとったり,身体部位を指し示したりする
2.参加人数の確認(番号リレー)と自らの番号の記憶
3.自己紹介およびお互いの氏名確認呼びかけへの返事
4.日時・場所に関する見当識訓練ー正答を教示
5.タイマーが鳴ったら拍手をするなど,展望的記憶課題
6.模擬電話応答による見当識の強化ー正答をボードに記し確認しながら行う

老年精神医学雑誌第;22巻第11号2011.11より参照。


回想法(認知症者に対する訓練)





回想法(認知症者に対する訓練)

 本来回想法は自らの人生を系統的に振り返り,これまでの出来事を再評価・統合し,人生の意味を見いだし人格の統合を目指すものです。
 著明な健忘を呈する認知症高齢者でも、遠い過去の出来事はよく覚えていることが多いため、本法は参加者から具体的な反応を得やすく導入しやすいです。
 認知症高齢者に対する回想法では、参加者相互の刺激や共感、回想の肯定的受容などの心理的働きが、精神症状・行動障害の軽減、情動の安定、対人関係の賦活などの治療的効果を生みます。
 具体的には「もう一度会いたい人」「自分の故郷について」「もう一度行ってみたいところ」などといったテーマに沿って、それぞれの過去の体験につき話をしてもらいます。参加者間の相互的なやりとりも重要で、幼少期から近い過去に至るまで回ごとに関心時期を設定し、さまざまな小道具や手がかり(写真,衣類,食材など)を用います。
 しかし,過去の生活史を賦活することでかえって情緒的な過剰反応を引き起こしたり、回想した過去の世界と現在とを混同して見当識の混乱が増す場合があるため、注意が必要となります。


簡易懸濁法(simple suspension method)





簡易懸濁法(simple suspension method)

 簡易懸濁法は、嚥下障害がある患者や経管栄養投与を施行されている患者に対して、経鼻胃チューブ等を介し、薬剤の懸濁液を投与する手法である。錠剤の粉砕やカプセル剤の開封を行うことなく、そのまま、あるいはコーティングに亀裂を入れて、約55℃の温湯に投入し、およそ10分間放置することによって薬剤を崩壊・懸濁させた後この液を経管投与する。本手法では、経管投与に際して粉砕調剤を行うことがないため、粉砕による薬物の安定性の変化や、粉砕による薬剤のロス、製剤機能の損失(徐放性製剤や腸溶性製剤等)、調剤者への暴露等、粉砕調剤に伴う種々の課題に対して改善が期待され、近年、医療現場において注目されている。一方、注入器に吸い取れない薬剤やチューブを閉塞させる薬剤もあり、本手法を適用する際には、薬物、並びにその製剤の特性を十分に考慮する必要がある。また、懸濁液として投与した場合の薬物の吸収動態の変化(生物学的同等性)や、温湯中での薬物の安定性についても十分な検討が必要である。