失語症の治療
失語症の治療は言語聴覚士(Speech Therapist:ST)が担当します。
患者ざんとお会いして私たちSTが最初に行うことは、使えるコミュニケーション手段を探すことです。
人が生きていくうえでt家族や周りの人と意思を伝え合うことがとても大切だと考えるからです。
ことば以外にも、うなづき、首振りやジェスチャー、描画など、伝える手段はたくざんあります。
コミュニケーション手段を見つけたうえで、詳しい検査を実施してタイプと重症度を評価し、症状に応じた訓練を組み立てていきます。
注意深くt繰り返しことばを聞いてもらう練習や、聴覚や視覚刺激を用いてことばを思い出しやすくする練習など、さまざまな訓練を行います。
練習することばの順序やヒントの出し方が非常に重要で、専門的な知識と技術が必要です。
むやみにことばを言わせようとすることは話す意欲を失わせ、逆効果ですのでおすすめできません。
失語症の方とのコミュニケーションのコツ
「聞いて理解することが難しいとき」
- 短い文でゆっくり話す
- ジェスチャーや絵を使う
- 漢字単語を書いて示す
「うまく話せないとき」
- ことばが出るまで10秒程度待つ
- 「はい」「いいえ」で答えられる質問をする
- 身振りや指さしを促す
- 言いたいことを推測する
失語症の方に対する誤った対応
- 大声で話しかける(耳は聞こえています)
- 「り,ん,ご,た,べる?」など区切って話す。(不自然な抑揚はかえって聞き取りづらくなります)
- 言えないことを仮名で書かせようとする
- 文字盤を用意して「これで話して」と促す
- 言いたいことが想像できるのに,わざと言わせようとする
- 子ども扱いをする
- 言い誤りを修正する
The Journal of Dental Hygnieseより参照