プッシング・プリング訓練

プッシング・プリング訓練(Pushing exercise/Pulling exercise

押したり持ち上げたりといった上肢に力を入れる運動により、反射的に息こらえが起こることを利用して、軟口蓋の挙上、声帯の内転を改善させることを目的とした訓練。

主な対象者
脳血管障害、末梢性反回神経麻痺、挿管後など局所的な感覚運動低下により声門閉鎖不全がある場合。

具体的方法
1  壁や机を押す、肩からこぶしを振り下ろす等のプッシング動作を練習。
2  動作とともに強い発声をする。
3  ある程度、響く声が出るようになったら、徐々に動作を減らしていく。

プッシング動作のかわりに、椅子の底面や肘掛けを引っ張ったり、両手を前でつないで外方へ引っ張るというプリング動作でもよい。
上肢の運動麻痺や認知障害の状態によって使いわける。
また、声を出さずに強い息止めだけを行う方法もある。
実際に期待した運動になっているかどうか、内視鏡での確認が必要である。

注意点など
高血圧、不整脈など循環器疾患がある場合には、症状を悪化させる場合があるため適応を十分に検討する。



日本摂食・嚥下リハビリテーション学会より参照。




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