反復言語 非失語
自己の発話を何回か繰り返す現象です。
患者は原則として語または句を単位として繰り返し発話します。
自己の発話の最後の語または最後のシラブルを繰り返し発話する場合もあります。
反復言語にはいくつかの亜型が知られています。
スターリングは、「真性反復言語」の症状として、①自発話で出現する、②反響言語(後述)の結果ではない、③失語を伴わない、④重篤な精神疾患によらない、という4条件をあげ、これを満足しないものを「仮性反復言語」として区別しました。
そして真性反復言語には、反復に声量低下や発話加速性を伴う「けいれん性・異音性反復言語」と、反復しても声量や速度に変化がなく、ときに無言状態と交替する「無力性・同音性反復言語」の二つの類型が存在するとしました。
反復言語が認められる疾患としては、仮性球麻痺、パーキンソン病、大脳半球内側面(特に補助運動野を含む)病変例、ピック病などの認知症、統合失調症(緊張病)などが知られています。
反復言語の責任病巣としては、基底核、補足動野などを含めた前頭葉内側部などがあげられています。